| 連載「円山動物園 栄光への階段」 |
第12話
7月14日 暗闇の世界を広げる
園内をプラプラ歩いていたら、ある飼育員が遠くから「係長〜〜〜!」と声をかけて飛んできた。
今日、視覚障害のある子どもたちが「子ども動物園」にきて、ウサギとモルモットのふれあい体験をしていった。
子どもたちは、恐る恐るウサギに触り、モルモットとの感触の違いと、その手に触れた小さな命の大きさに感動し、最後にフレミッシュ・ジャイアントという世界最大のウサギを膝に抱いて、その重みを感じて帰ったという。
子どもたちの(光の無い世界の)その目は輝きに満ち、(その飼育員が言うには)これまでのどのお客さんよりも感激して帰っていったという。
その話を飼育員は、目に涙を浮かべて私にマシンガンのように話してくれた。
子どもたちから教わった。今日ほど感動した日はないと、彼は語っていた。
動物園って、そんなことができる場所なんだな。
うれしくて、うれしくて、うれしくてこの日記を書いています。その飼育員(もう中堅ベテランの域)は、この日のために時間をかけてウサギたちの馴致(じゅんち=慣れさせるための訓練。芸をさせる調教とは違います。飼育員の専門技術です。)をしてきたのだという。世間の目には触れないところで、職人としての飼育員の努力が実った日でした。
来る8月10日には、障がいのある方を招いて、円山動物園ハートフルナイトという、夜の動物園への無料招待をやります。
その飼育員は早速、その日に向けてまた準備をしています。
決して外からは見えない動物園の裏話だけど、今日はそんなことをチョット皆さんにも分け合いたくて書いてみました。
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◆◇◆小さな一歩◆◇◆
ハートフルナイトは約500人の障がいのある方とその家族が来園し、20人ほどのボランティアの協力を得て成功裏に終わりました。
保健福祉局の障がい福祉課の方も気持ちよく協力してくれ、共催という形をとってくれました。教育委員会も市内の養護学校につないでくれました。社会福祉協議会の皆さんもボランティア確保に協力してくれました。
予想通り、子ども動物園も盛況で、皆さん喜んで動物園を楽しんでくださったと思います。障がい者だけでなく、家族や介護者も全員無料にしたので、気兼ねなくゆっくり楽しんでもらうことができました。私が理事を務めている共同作業所のメンバーも来てくれました。
こういうことは長く続けていきたいですね。