| 連載「円山動物園 栄光への階段」 |
第16話
8月6日 お泊り会の宿題
今日は、円山動物園で子どもたち17人のお泊り会。
ライオンに暗闇で吼えられながら、夜の動物園を堪能した子どもたちは23時に無事就寝。僕らもやっと解放された。
今年から初めて開催されたこのお泊り会「ナイトキャンプ」では、食育もテーマの一つで、食事時には学校給食の栄養士さんがおかずの玉子焼きを使ってレクチャーしてくれて、飼育員からは食物連鎖の話を聞く。
命をいただくという「いただきます」の意味を教え、ヒヨコを丸呑みするシロフクロウの食事も間近で見せる。「みんなもフライドチキン食べるよね?」子どもの目はまん丸になる。
今日、印象に残ったのは、海獣舎担当の飼育員の話。
「ホッケは一体誰のもの?」
僕らや漁師さんたちは自分たちのものだと思って獲るし、食べるよね。でも、トドやアザラシたちも同じように自分たちのものだと思って獲って食べる。
ときどき、トドが漁師さんの網を壊してホッケを食べてしまうことがあると、漁師さんたちはすごく怒るんだ。
でも、どっちが悪いんだろう?ホッケは誰のものなんだろう?
この答えは僕にも分かりません。
みんなへの宿題にします。
人間と動物はどんな関係を作れるんだろう。
動物園はそのことを本当に考えさせる舞台だ。
明日は、朝イチで鶏のタマゴを採りにいって、動物たちのえさの仕込みでニワトリを捌くのを手伝うなかで、卵、ヒヨコ、ニワトリと命のつながりを一連の体験で感じてもらう。
さあ、子どもたちはちゃんと寝たかな?早起きしろよ〜
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◆◇◆小さな一歩◆◇◆
ナイトキャンプは旅行代理店とタイアップして作り上げた企画で、元々は園長が強く希望して始めたものです。
参加児童は1泊8,000円でも即完売。昼間は飼育員さんと一緒に飼育体験。夕方、学んだことをワークブックに書いて発表。飼育員から動物を通じた命のエピソードを聞きます。夜は暗い園内をナイトウォッチング。サル山レストハウスで寝袋に寝て、朝はガラス一枚隔てたニホンザルに起こされ、エサの仕込みに向かいます。一泊の体験が終わるとワークブックが完成して、夏休みの宿題が終わっているというイベントです。
本州からも申し込みがあるなど人気のイベントで、この冬休みも開催が決定しました。
思い出の中に残る動物園になっていきたいですね。