連載「円山動物園 栄光への階段」

第17話

8月12日 ある日の職員会議

先日の職員会議で、みんなにこんな議題を投げかけてみた。

「円山動物園、○○で世界一!○○日本初!」

この○○の部分を、一人ひとりが園長になったつもりで考えてくれと。

30人ほどの職員、シーン・・・と会議室が静まる。
ここは沈黙を恐れず、待つことが大事。



すると、しばらくして、ある飼育員が、
「世界で初めてヨウスコウワニの繁殖に成功したり、爬虫類の繁殖に関しては多分世界レベルだと思う・・・」と。
すると堰を切ったように、次の飼育員が、

「これだけ沢山のドキドキ体験メニュー(ふれあい等)があるのは日本でウチぐらいだ。」
それって、うちが日本一ふれあえる動物園ってコトだよね?と聞き返すと、

「これだけのことを日常的にできるようになるには、相当高度な馴致技術を維持継承してなきゃ無理なんです。それが円山の凄いところなんです!」と言に力がこもった。
するともう一人の飼育員がこう言った。

「うちは"通り過ぎる動物園"じゃないんです。たっぷり体験しながら、のんびり滞在してもらえるように、もっと施設も工夫したい。」

何となく、これからのコンセプトが見えてきたなと思いながら、彼らの中に自信と誇りが育ってきているのを感じた。
職員会議が終わってからも、その一人が駆け寄ってきて、しばらく語り合った。チームが育ってきた。


今日から5日間、「夜の動物園」が始まった。
地元新聞の一面を飾り一躍人気者になったエゾモモンガの太郎の飛翔を一目見ようと、小さな小動物館がぎゅうぎゅう詰めになった。
そのときも、事故の無いよう細心の注意で場内整理をする飼育員たちの顔には、夜で暗かったけど、確かに嬉しさと誇らしげな表情があった。

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◆◇◆小さな一歩◆◇◆

7月4日、アメリカの独立記念日に立ち上がった外部委員会があります。円山動物園の再生を議論するその委員会は、市立大学の学長を委員長に、経済界、まちづくり、自然環境などのプロたち、そして日本動物園水族館協会の会長で上野動物園の園長も加わって、議論をしています。その名も「円山動物園リスタート委員会」。
この委員会との議論を経て、18年度中に円山動物園の将来構想が出来上がります。いま、私たちもそこに思いのすべてを注ぎ込んでいます。この議論の内容はすべて円山動物園HPで公開しています。

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