| 連載「円山動物園 栄光への階段」 |
第23話
10月3日 見えない展示
動物園というのは、いろんな動物がいて、それを見にいくものだと思っていた。
ところが、円山動物園にはちょっと変わった「見えない展示」がある。


実は園内のある場所に、平成12年の台風の時に園内で倒れた倒木をそのまま展示しているのです。
自然に朽ちて、土に還っていくまでの姿を見てくださいという、何とも気の長い展示です。
一体、何年かかるんだろう?
いま小学生の子どもが、もしからしたら、結婚して自分の子どもを連れてくる頃には土になってるだろうか?
ここに展示されているのは、風と雨と土というエレメントたち。
そして、バクテリアや微生物、小さな虫たちなどの自然の分解者たちです。
まさに円山動物園らしい、目に見えない功労者たちの展示です。
人間界には、生産者と消費者が欲をむき出しにして、次々と消えないごみを作り出しています。でも、自然界には分解者という存在がいて、倒木や糞や屍骸などを分解して、水や土に命を吹き込むのです。こうして命は循環します。
そんな「いのちのループ」を忘れないで。
と、この見えない展示は訴えかけてくるような気がします。
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◆◇◆小さな一歩◆◇◆
円山動物園内には、様々な共存があります。太陽光発電や風力発電もその一つですし、動物たちのウンチも肥料化して、園内のクローバー畑で使われます。そのクローバーがまた動物たちのエサになっています。今後、取り組まなければいけないのは、熱や水資源の循環です。古い施設なので今は無駄が多いのです。こういった取り組みを通じて、動物園の施設そのものが環境教育の教材になったらいいなと思います。