| 連載「円山動物園 栄光への階段」 |
第27話
11月3日 飼育員を感動させる動物たち
昨日は、夜の動物園で中小企業家同友会の研修会があり、80人の社長さんたちが園長のセミナー、飼育員の話と夜の動物園見学を楽しみました。地元中小企業が動物園を応援しようという思いで園内開催に至り、園長からもスポンサー等の支援のお願いをしました。
その研修会の中で、社長さんたちをその気にさせたエピソードがありました。
動物園に異動して3年目の飼育員さんの話。朴とつに恥ずかしそうに語ってくれました。
アザラシを担当してすぐのことでした。一頭のオスのアザラシが病気になり、アザラシ舎の脇にある管理棟で治療することになりました。当時の新米飼育員さんは悪戦苦闘しながら捕まえて、管理棟に雄アザラシを運び込み、治療を開始しました。
実は、そのアザラシには奥さんと娘がいました。
なんと父アザラシが治療を始めたその日から、母娘のアザラシたちが、たった1匹もエサの魚を食べなくなったのです。
1週間経っても食べないので、その飼育員さんは「この子たちも死んでしまうんじゃないか」とものすごく心配したそうです。その母娘たちは、日中ずっと父アザラシのいる管理棟の方を心配そうに見ていたそうです。
治療開始から10日経った日、母娘の絶食はまだ続いていました。ようやく治療を終え、元気になった父アザラシがプールに戻ったのです。そうしたら、母と娘もすごい勢いでエサを食べ始めたそうです。お父さんが無事帰ってくるまで、ご飯がのどを通らなかったんでしょうね。
それを見て、その飼育員さんは親子夫婦の愛情、家族の大切さを改めて感じ、普段はあまり考えない自分の家族のこともふと思い出したそうです。そして一層アザラシが好きになったそうです。
このエピソードを聞いて、会場の社長さんたちも温かい気持ちになったようでした。その日、園長のところには沢山の名刺と支援の申し出が集まりました。
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◆◇◆小さな一歩◆◇◆
園長はあちこち駆けずり回って、支援の輪を広げています。周りからも支援の声が上がってきます。
中小企業家同友会、ロータリークラブ、青年会議所、異業種交流会、町内会・・・
様々な方が、様々な思いで動物園のために何かできることはないかと申し出てくださいます。
小売業界でも、グリーンスタンプやブルーチップで動物園の年間パスポートを取り扱ってくれています。
北海道新聞の販売所でも年間パスポートの取り扱いを始めてくれました。
獣医師会、歯科医師会、日本山岳会・・・
多くの民間企業やNPOも本当に具体的に支援してくださっています。
動物園ってすごい。みんなの心の中に「なくしたくない大事な場所」として息づいているんですね。