連載「円山動物園 栄光への階段」

第29話

11月18日 ZOO LOHAS Fridays初日

今日は「ZOO LOHAS NIGHT」シリーズ第二弾の初日でした。

まず、園内にイルミネーションの増設が昨日決まり、急きょ午前中に管理係の職員がイルミネーションを買いに行く。

帰ってきたと思ったら早速延長コードをもって走り回って飾りつけ。園長自らハシゴに登ってお手伝い。

その園長も今日は司会と環境トークがあったので、朝から原稿書き。本番トークでは結構緊張したみたい。

事務係の担当は、ペットボトルを運んだり、ランタンを設置したり、撤収したりと広くて暗くて寒い園内を何度も行ったり来たり。

管理係の担当は、園内の照明をつけて、正面の看板を作って、机を設営して、音響の準備をして、コートハンガーを出して、ずーっと駆けずり回った。

副園長は開始前に早くから来ているお客さんたちをプレーリードッグと一緒にお出迎えしてくれた。それも特別に子どもプレーリーを投入してくれた。

エゾモモンガの担当チームは皆で子ども動物園のイルミネーションづくりから力をあわせて頑張った。モモンガも本番でうまく飛べるように昨日から仕込んでいた。

カンガルーの担当はギリギリまでどうやったらお客さんに喜んでもらえるか真剣に考えて、直前まで照明を準備し、エサ用の野菜スティックを作っていた。

サル山の担当者はサルたちのとっておきのエピソードを一生懸命にお客さんたちに伝えた。終わってから、もっと笑いをとればよかったと反省していた。

昨日アメリカへの視察から帰ってきたばかりで、疲れているはずのシロフクロウ担当(鷹匠)が風邪を押して来てくれた。疲れているのにずっと左手にシロフクロウを乗せたままで30分近くお客さんたちに解説してくれた。

飼育係長や課長たちはお客さんたちが退屈しないよう、いつも寄り添って細かいエピソードを語りかけていた。お客さんはそれが一番楽しいことを知っているから。

帰りのお見送りは、今日関わったすべての職員が出口に並んで深々とおじぎをして「ありがとうございました」と見送るのが恒例になっている。その時、お客さんたちが持って歩いたランタンを回収して滑走路のように並べて見送るのも恒例だ。

今日もお客さんたちのいい笑顔を見れてよかった。
もう寒さで顔が固まってるし、走りつかれて足が痛い。
そうこうする間に他の職員は撤収作業に向かっていった。

たった一晩、お客さん30人だけの小さなイベントかもしれない。でも、みんなが見えないところですごく強い思いで頑張っています。チームで力を合わせて、お客さんに喜んでもらおうと頑張っています。

それはもう、どこかに勝ちたいとか、変わったことやってカッコつけたいとか、そんな気持ちじゃできないことです。
そうなんです。実はみんな、円山動物園が大好きなのだ!

参加者の感想(Webシティさっぽろ)

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◆◇◆小さな一歩◆◇◆

冬は動物園にとって閑散期だ。特に雪の降り積もる札幌の動物園では、お客様の出足も鈍る。
入園者数も夏に比べると10分の1くらいまで落ちてしまう。でも、冬だからこそ本州の動物園にはない風景を見せられるのではないか?ホッキョクグマなど寒い地域に生息する動物の本来の姿を楽しんでもらえるのではないか?
というわけで、今年から「冬の動物園」をプロデュースすることになった。
ところが、札幌市民でさえ「冬に円山動物園が開園している」ことを知らない人の方が多い。冬に動物園に行くという行動パターンがまったく認識されていないのである。そこで、思い切った作戦に出た。
広報さっぽろ12月号に「大人1人無料クーポン」をつけたのである。広報誌は市内80万世帯に配布される。
「今まで有料で来てくれた人がクーポンを使ったら、ただでさえ少ない売上げが更におちるのではないか?」
そんな不安もあったが、家族で来てくれたら両親のどちらかは有料になるし、何よりまずは冬の動物園の魅力を知ってもらって、マーケットを拡大しなきゃ!ということでスタートした。
結果は、まずまずの成功でした。心配していた売上げは前年を上回り、有料入園者数も12月は前年比1.5倍、1月は2.4倍、2月も2倍以上が確実になっています。快く協力してくれた広報課の皆さん、ありがとう!

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