管理というものについてもう一度、考えてみましょう。

<5つの管理>
管理には5つの要素があります。マラソンに例えましょう。
人は走り始める前に目標を決めます。ゴールの管理です。(例:国立競技場)
そこに向かうための準備をします。リソースの管理です。(例:シューズ、補給用水分、サングラス)
走りながらコースを確認します。(例:20キロ地点を通過)
あわせてペースを確認します。(例:20キロ地点の目標タイム60分)

つまり、以下の管理です。
・目標管理(MBOつまり目標による管理)
・資源管理(ファシリティマネジメント、ヒューマンリソースマネジメント、財務管理など)
・進捗管理(プロジェクトマネジメントによるフェイズとタスクの管理)
・品質管理(KPIつまり成果指標などによる数値管理や顧客とのSLA:サービスレベルアグリーメント)

しかし、必ずしもすべてが思い通りにいくとは限りません。
・管理不能(Out of Order、もしくはカオスの状態)

日本において悲劇的なのは、マネジメントの訳語に「管理」が割り当てられていることです。
ホテルのマネジャーは「支配人」と呼ばれ、組織のマネジャーは「管理職」と呼ばれます。
はっきり言って、複雑なビジネスを「管理(コントロール)」できるものなどいません。
それは多くのビジネスの現場では当たり前のことかも知れませんが、さらに悲劇的なのは、行政においてです。
「行政の無誤謬性」という官僚制の病理をご存知と思います。

行政は管理できることを前提に経営を行っている。

これが、行政における「死に至る病」です。
私は、管理不能を5番目の管理項目に加えたいと思います。
すべてのプロジェクト、すべての事業において、これらの管理視点が必須です。
すべての管理職の基本動作であり、これを知らない管理職はマネジメントできていない可能性があります。
では、マネジメントとは何か?

マネジメントとは、「うまくやること」である。

ここで笑った人は、マネジメントの場面を経験していないか、リスクテイクしたことのない人だろう。
大事なのは能力と運であり、あきらめないことと努力の結晶が成果である。マネジメントの本質は、ただ、つまらないミスを極力なくすことにあると言ってよい。多くの人が落ちる落とし穴を知っていることが、マネジャーの最低限のたしなみと言えるだろう。

2002.10.07

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