「本当はみんなキーパーソン」

「自治体のキーパーソンを紹介してほしい」と頼まれることがある。
大抵は数人の(実績ある)スター選手を紹介してお茶を濁すのだが、スター選手のネットワークがあっても物事はスムーズに動いてはくれないことが多い。

意思決定には実に多くの人が関わっている。ましてやその実行段階や継続となれば、決してひとりのスター選手がどんなに優れていても役には立たないものだ。(その人が独裁者じゃないかぎり...)

本当はみんながキーパーソンなんだ。
別に格好をつけてキレイ事を言うつもりではなく、それは、ここ数年の参加型経営の実践を通じたフラットなコミュニケーションから気づかされたことだ。

「もしも、この人がいなかったら、大きく遠回りしていたに違いない」と思う場面が多々ある。
決して「この人」はいわゆるスター選手ではない。普通のまじめな職員だ。

私の思う「キーパーソン」の解釈はこうだ。
人は誰でも一人ひとり「キー」を持っている。そして、その人にしか開けられないドアがある。
立ちはだかるドアの前で「あなたのキー」がどうしても必要になることがあるのだ。

会議で格好いいことを言えなくて自信をなくしている人も、飲み会でチームの雰囲気を支えていたり、みんなに安心感を与えていたりする。

独創的ではなくても、本をたくさん読んで勉強している人が、ある会議で本から引用したフレーズを話したことで一気に方向性が見えてくることがある。

いつもは無口だけど、本当はずっと疑問に思っていたことのある人が、たまりかねて口にした一言がプロジェクトの矛盾点を的確に指し示していることがある。

それは他の誰でもない、「あなた」にしかできないことだ。

プロジェクトに批判的で推進派からは邪魔者あつかいされている人が、実はそのプロジェクトを一気に開花させトップに決断を促すキーになっていることがある。

逆にキーパーソンだと思っていた人が「開かないドア」になることだってあるわけだ。

一人ひとりがキーパーソンだと思って、もう一度組織を眺めてみよう。
組織の見え方が少し変わるかもしれない。
そして、あなたが開けるドアを想像してみよう。

2003.1.19

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