戦略の浸透策

戦略を作ってもその浸透は困難を極めることが多い。
その辺の係長や課長をつかまえて「戦略の柱を全部言える?」と聞くまでもない。
ヒラ職員においてなら、なおさらだろう。
しかし、戦略の浸透を本人たちの自覚に任せているならそれは仕方のないことだ。
戦略を進めるには、トップからボトムまですべての職員がそれを知っている状態にしなければ、十分な組織的協力を得られず失速してしまうだろう。
戦略の浸透策について以下の通り考えてみた。

戦略の浸透にあたっては、あらゆるメディアを活用する必要がある。
毎日のミーティング、組織内広報、通知文書、電子ファイルの配布、ポスターの掲示、ホームページ、メールマガジン、電子会議室などである。
常にシンプルなメッセージを繰り返し発信し、双方向、複線化したコミュニケーションをプランニングすべきである。
また、本当にメッセージが伝わっているかどうか確認する必要がある。

すべての管理職は、戦略についてのプレゼンテーションを自らの部署のスタッフに講義しなければならない。
そして、プレゼンテーションのあとで、スタッフとコミュニケーションを行い、
・この部門に置き換えた場合に何をすべきか。
・スタッフにどういう行動を期待しているのか。
・それをどう評価するつもりか。
・スタッフがどのようなアイデアや感想をもっているか。
・戦略のどの部分に不安を感じているか。
といったことをトップにレポートすることを義務付ける必要がある。

これらの浸透プログラムは定期的に繰り返される必要がある。
特に戦略のマイルストーンごとに、成果報告と合わせてフィードバックすることが肝要だ。
また、これらは短期的な取組みであってはならない。組織文化として定着するまで「永続的な活動」として繰り返されることが肝要である。

さらに、戦略を内面化するために、主要な管理職は顧客向けにも同様のプレゼンテーションを行うこととする。このことはマーケティング効果だけでなく、各幹部が組織へのロイヤリティを高める上でも効果を発揮する。

ここで重要なのは、単なる理念の羅列ではなく、具体的な危機感の説明、明確な目標の説明、数値による成果の説明である。そしてこれらは調査に基づくデータによって証明されている必要がある。

こういった作業も、実は非常に手間とスキルを要するものである。
しかし、戦略を実現させたいと思うなら、こういった浸透プログラムを軽視してはいけない。
周りの誰もが(自分の上司すら)知らないような戦略に、自己犠牲を払ってまで貢献しようとする職員は非常に限られているからである。

2003.1.3

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